うどん玉をつくれるようになった訳

知的障害がそんなに軽くないしずかにとって、うどん玉を作る作業は簡単ではないと当初思っていました。高校2年の時に、特別支援学校の友達と、うどん作りの練習を始めた時には、「ねる」という動作を口頭で伝えるのは難しく、しずかは練ることができませんでした。うどん玉を伸ばすのはすぐにできたのですが、練るのは力の加え方も難しく苦戦したのです。

だからといって、うどん玉を作る仕事からは、しずかを除くはしませんでした。しずかも一緒にうどん玉をつくる作業に入りました。

でも、しずかのペースにあわせて、しずかができるまでゆっくり待つもしませんでした。

うどん玉を完成させるには、500回程度うどん粉を練りますが、2人1組になり、一人が練る役割、一人がボールを抑える係になり、100回練ったら交代し、を5セット繰り返しました。

交互に繰り返すことで自然と体で覚えていく。

そうして繰り返すことで、練習時間内にうどんを完成でき、しずかも完成したうどんを食べられてうれしい体験を繰り返しました。しずかが練る500回は力が加わらなかったのですが、パートナーの500回の練りで、うどんが完成しました。最初はそこから始まりました。

繰り返していくうちに、しずかはパートナーの練る様子を見ながら、徐々に、しずかなりに真似をしながら、練りを覚えていったのだと思います。

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