こだわりの行動への思い。

しずかはフィギアを並べるのが好きです。なぜそのようにするのかわからないですが、自宅でもカフェでも、並べるものを決めて毎朝並べ、帰りには収納します。それで気持ちがよく過ごせるのならばよいことです。

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例としては他にも、

戸が少し開いている

ジャンパーのチャックが全部しまっていない

食卓の上に水滴がおちている

などにはとても敏感に気づき、

さっと直すのがしずかのこだわりの行動になっています。

扉をしめる行動は、室温を保つ意味ではなく「扉がしまっている」という形を好んでいるのだと思ってみています。コロナで換気が必要なため、常に少し開けた形になっているカフェの扉は、そのようにしずかに説明し納得したならば、開けたままで許すことができています。

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洋服については、私の上着のチャックが全部しまっていないときは、しずかがさっと寄ってきて上までピッと締めてくれます。私はしずかに、「締めてくれてありがとう」と言います。以前は、他人の服も直そうとしたい時があったのですが、「私の服を直してね」と言い続けることで、家族(特に私)以外の服を強行に直そうとするのはすぐに無くなりました。

しずかの愛すべきこだわりの行動です。こだわりがあるのがしずかです。

その時々で、こだわる物が変わったり、こだわりの度合いが強くなったりして、理屈を何度も何度も説明する必要が都度都度出てきます。そうやって、しずかと共に生活していける、稼いで生きていけるのは何よりの幸せです。

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知的に障害をお持ちの方の中には、もっと強いこだわりの行動をお持ちの方がいらっしゃると思います。女の人の髪を見るとどうしても触りたくなる方、服のボタンを家族他人関わらずに留めたくなる方、私も過去に仕事で関わらせていただいたことがあります。ご家庭と福祉職がよく連絡をとりあい、「お母さんの髪はさわってもいい」など決めることで、ご本人の折り合いがつくのであれば社会生活がしやすくなります。

しずかについては、今のところ、様々な課題に対して、私や家族と一緒に妥協案を考え、こだわりを維持しながら社会生活を送れています。ありがたいことで、しずかに感謝をしなければならないです。これからも、同様に課題が出てきて妥協案を考え、本人らしさを維持しながら周囲と調和をして生きていく、その繰り返しがしずかの人生なのだろうと思っています。

また、妥協案を家族だけで考えるのでなく、一緒に考えてくれる福祉職の仲間を増やしていくことが、しずかの生活の豊かさを維持していくことにつながります。これは私の仕事です。頑張ります。

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